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2007年2月12日 (月)

「不都合な真実」 何かを祈るときは行動すべし

勤めているのはどちらかというと古いタイプの会社なのですが、僕が記憶する限り初めてこの映画のチケットプレゼントなる乙な企画を社内でやっていました。
実施していたのは環境部という部署でしたが、その企画を通じて社内の環境問題への関心を高めたいという狙いらしいです。
ただ条件があって、映画を観た感想文を必ず提出とのこと。
職場の周りの人はめんどくさいーなどと言っていましたが、僕の場合はこんな風にブログに感想を書いているので、そんな条件は苦にもならず応募しましたら、見事に当選しました!
とは言いつつもチケットが送られてきたのは先週で、銀座での公開も終わってしまっていたので、慌ててまだ公開している六本木まで観に行ってきました。
けっこう観客動員がいいとは聞いていましたが、朝9:15の回でほぼ満席。
環境問題への関心度があがっていることが伺われます。

映画はブッシュ現大統領に僅差で敗北した、アル・ゴア元副大統領の講演がベースになっています。
恥ずかしながらこの映画の公開まで、彼が環境問題に力をいれている政治家とは知りませんでした。
どちらかというと「情報スーパーハイウェイ構想」のイメージが強かったです。

今年の冬は記録的な暖冬と言われています。
異常気象という言葉も日常的になり、何が異常なのかわからなくなってきていますが、その原因と言われているのが「地球温暖化」。
地球温暖化とは地球を取り巻く大気層の中のCO2量の増加により、地球からの放出する熱量が下がる(いわゆる温室効果)ため、気温上昇を招くといわれる現象です。
この地球温暖化という現象については、その現象自体を否定する意見もあります。
環境問題はグローバルであるがゆえナイーブ、かつ複雑であり、環境問題推進派も経済活動優先派もその意見はヒステリックになることもあります。
この映画を観て感心したのは、アル・ゴアの極めて理性的な説明力。
温暖化否定派の反論意見を受け止め、さまざまな精緻なデータを使い、わかりやすく説明していきます。
理解しやすい図解、上手に組み立てられたプレゼン・ストーリー、時折はさむユーモアにより、環境問題の実情とその考えの正当性を理性的に訴えていきます。
また映画としての強みである映像を上手に使っています。
氷河がどんどん後退していったり、キリマンジャロの雪がなくなっていく様子は、まさに百聞は一見にしかずといった説得力があります。
映画を観ながら、食い入るように観てしまいました。

この映画を観る前に想像していたのは、環境問題に及び腰な企業や国をセンセーショナルに追求していくというドキュメンタリーでした(マイケル・ムーアなどはそんな感じですよね)。
けれどもアル・ゴアは、何かを攻撃するという感じはない。
確かに世界的に影響力があるにもかかわらず、京都議定書を承認していないアメリカ政府に対しては、この映画の中でも政治の問題として課題があると突きつけています。
けれどもアメリカ政府が何か環境に関する規制を行えば、「地球温暖化」は解決するのかというふうに思っているわけではないと思いました。
エンディングのテロップででてきたアフリカのことわざがそれを言い表しているような気がします。
「何かを祈るときは行動をすべし」
環境は大事、地球を守れ、これを否定する人はいないでしょう。
けれどもその思いはえてして政府や企業などを非難するだけに向かいがちです(当然、国も企業もその努力をしなくてはいけないのですけれども)。
しかし非難ばかりしていて良い訳はない。
「祈る」気持ちがあるならば、自分の周りからでも少しずつ手をつける「行動」を行う。
アル・ゴアが言いたいことはそこなのでしょう。

映画の中身とちょっと違いますけれども、上でもちょっと書いたアル・ゴアのプレゼンテーション力にびっくりしました。
基本的に彼の講演を中心に構成されていますが、相手を引き込み自分の伝えたい内容をわかりやすく解説していく力はすばらしい。
講演自体も練られた構成で、退屈になりがちなデータの紹介も、わかりやすいビジュアル、トークで飽きなかったです。
まさにプレゼンテーションの見本。
僕は仕事柄プレゼンの機会も多いのですが、見習いたいものです。

アル・ゴアはアップルコンピュータの取締役でもあるので、使っているのはPOWERBOOKでしたね。
あのスライドはやはり「POWERPOINT」ではなく「KEYNOTE」かしらん。

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コメント

きららさん、こんばんは!

仕事時間内に上映会とはなかなかきららさんの会社もやりますねー。
確かにこの映画はアル・ゴアの説得力のあるプレゼンテーションもあって、地球温暖化にむかって考えなくてはと思わされますよね。
やはり人ごとではなく身近なところからですかねー。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年11月19日 (月) 22時00分

こんにちは♪
TBが送れないみたいなのでコメントで失礼します♪
そういえば、、、うちの会社では来週か再来週にこの作品の上映会をやるみたいですー。
しかも仕事中に!私は劇場鑑賞したので申し込みませんでしたがすぐに満席なっていました!
コレ観るまで温暖化とかかなり他人事だったのだけど
心入れ替えましたー。

ただ最後の○○しましょうーみたいなコメントがちと余計だったなー。
なんて思いました☆

投稿: きらら | 2007年11月18日 (日) 17時32分

moriyuhさん、こんにちは!

いきなり大それたことをしようとすると続かないので、身近なところから少しずつがいいですよね。
>さりげなく「意外といいよ。」って言ってます。
まずはそのくらいからがちょうどいいのかも。
僕もコンビニとかでも箸をもらわないとか、袋いいですと言ったりするのもちょっとかっこいいなって思ったりするようになりました。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年5月 4日 (金) 15時29分

はらやんさま

こちらにもTBありがとうございました。

ここのところ環境問題が、とても大きく取りざたされておりますが、ブッシュさんだけはかたくなに、「経済が…」とのたまわっていらっしゃいますね。

なんだろうな?ホントおかしいです。
経済なんて、その上に成り立っているだけなのに…。

デイアフタートゥモローの世界は、すぐそこまで来ていて、あんなことが起きた折には、経済?なんて吹っ飛びますよね。

それと「行動」はなかなか難しいですよね?
私は小さく、ゴミを減らす、電気周りに気を配る、マイバック、マイ箸、エアコンを使わない。などやっていますが、みんなでやるともっと効果的なのに・・・と思うので、

さりげなく「意外といいよ。」

って言ってます。
無理強いではなく、気づかせること、ステキだってことを教えてあげることが重要かな?と思ってやっています。


それと…私もプレゼンテーション能力には、脱帽でした。
見習わなきゃ?って。


投稿: moriyuh | 2007年5月 4日 (金) 11時27分

こんばんは!
この映画、名言がたくさん出てきましたよね。メモりたいくらいでした。
しかし、はらやんさんの会社も粋なことをしますね!さすがです。

今日から、自分も、出来ることから・・・はじめようと思ってます。

投稿: カオリ | 2007年4月 4日 (水) 23時51分

ミチさん、こんにちは。

ドキュメンタリー賞とりましたね。
この映画はけっこう日本でもお客さんが入っていましたけで、最近は日本でもドキュメンタリーが定着してきたのかもしれません。
楽しい映画も大好きですが、考えたり行動したりするきっかけになる映画もいいですね。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年3月 3日 (土) 16時58分

小米花さん>

映画を観てじっくり考えたいと思い、本も買ってしまいました。
>映画の力を信じたいと思います。
なにか一歩でもいいから踏み出すきっかけを映画は与えてくれますね。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年3月 3日 (土) 04時44分

こんにちは♪
TBありがとうございました。
私もゴア氏のプレゼン力に驚きました。
少々政治の匂いもしましたが、これを見た人にはエコロジーの大切さを必ず胸に刻ませますよね。
出来ることからはじめないと!

投稿: ミチ | 2007年3月 2日 (金) 09時02分

TBありがとうございました!
私もゴアの環境問題の活動は、知りませんでした。
大統領になっていたら、この問題だけで動くことが出来たかどうかわかりませんので、彼の講演、本、映画で世界中の人々を動かせたら、素晴らしいですね~。

映画の力を信じたいと思います。
小さな力の一歩から、始めましょう~。

投稿: 小米花 | 2007年2月26日 (月) 14時37分

たいむさん、こんばんは。

ゴア氏のプレゼン、洗練されている感じしましたね。
素人にもわかりやすく説明する、日本の政治家が最も欠けている点かもしれません。
茹でカエルのエピソードは、僕の上司から前に聞いたことがありました。
現状に安穏としていると、環境が変わっていくのに気付かないので、危機感を持てという話だったですが、ゴア氏の話と同じですね。
有名なエピソードなのかな?

投稿: はらやん(管理人) | 2007年2月25日 (日) 20時52分

はやらんさん、こんばんは。
ゴア氏のプレゼンは素晴らしかったですね。
好奇心を刺激し、興味を湧かせる手法、見事でした。
海流が停止した後の「これは後ほど」を楽しみにしていたのになかったのは残念でした(笑)
最終的には「草の根作戦」の積み重ねを促すモノでしたが、「でかい山はオレに任せろ、だから・・・」という風でもあったように思います。
一代ではきっとムリ。ゴア氏に続く政治家が現れてくれるとよいのですが・・・・。

投稿: たいむ | 2007年2月25日 (日) 19時07分

未来さん>

さすが政治家だけあってアル・ゴアのわかりやすい説明にどんどん引き込まれてしまいました。
それに比べるとマイケル・ムーアはゴシップ記事的な下品さを感じますね。
この映画、どの上映回も満員なようでみなさんの関心の高さをうかがうことができました。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年2月24日 (土) 06時26分

こんばんは、おじゃまします。
私もアフリカのことわざ「何かを祈るときは行動をすべし」が
とても印象的でした。
行動することが大事なんですよね。
マイケル・ムーアみたいに攻撃的ではなく
上品に?説得力のあるゴア氏の講義、すごく分かりやすかったです。

投稿: 未来 | 2007年2月22日 (木) 21時51分

ふぴこママさん、こんばんは。

かたい話ですが、アル・ゴアの説明が非常にわかりやすかったですよね。
キリマンジャロの写真とかあのようにビジュアルで説明してくれると何かしなくてはという気持ちになります。
何かというのもとてもたいへんなことではなく、身近なことからという提案も、みんなが取り組みやすくてよいなと思いました。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年2月17日 (土) 22時15分

こんばんは。
素敵な会社の企画ですね。

アル・ゴアの講演、上手でした。
かなり難しい問題をわかりやすくユーモアを交えて
説明していましたね。
ひとりひとりが出来ることを意識して
実践しなければと思いました。
もっと多くの劇場で、上映してほしいと思います。

投稿: ふぴこママ | 2007年2月17日 (土) 21時10分

由香さん>

観賞した劇場はほぼ満員で環境問題への関心の高まりがうかがわれました。
感心したのはアル・ゴアの説明のうまさ。
理路整然としながらも、素人にもわかりやすい。
センセーショナルなことだけ言ってあおるわけでもないですし。
日本の政治家の演説とかコメントを聞いているとアジっているだけで、がっかりしてしまいます。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年2月17日 (土) 07時34分

はらやんさん、こんにちは!
『陰摩羅鬼の瑕』と『守護神』にもTBさせて頂こうと思ったのですが上手くいかず。。。また後程試してみます!

私の住んでいる所の映画館は、公開される映画が少なめで、いつも寂しい思いをしていましたが、この映画は1日の本数も多く上映していたので嬉しく思いました。
アル・ゴアの講演は素晴らしかったですね。スライドも字幕も写真も見逃したくなくて、かなり真剣に観ましたので、少し疲れてしまいましたが(笑)
単純な性格なので、この映画を観たら『ディアフタートゥモロー』が観たくなリ、家にあるDVDを鑑賞しました。ゴアの言っていた事とダブル箇所があって、こういうことは現実に起こりうるんだ。。。と改めて思いました。

投稿: 由香 | 2007年2月15日 (木) 13時28分

プリシラさん、こんばんは!

日本は以前に比べてようやく環境問題に関心が高まってきたように思います。
10年前はほとんどしてなかったですが、普通にゴミの分別などしていますものねー。
今回の映画を観て、オーストラリアは京都議定書にサインしていなかったのは知りました。
アメリカは知っていたのですけれど。
オーストラリアのイメージはけっこう自然と共存しているイメージがあったのですけれど、そうでもないのでしょうか。
逆に自然がたっぷりまだ残っているから危機感起こりにくいのかな・・・。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年2月13日 (火) 23時35分

ワタシはこれ未見なのですが どうしてかというと 全部大体知ってることなのと オーストラリア人観客が 「怖いわねー」などと言いながら 大型4WDで走り去ったり ゴミを散らかしたまま 劇場を出るのを見たら 絶対 血圧200越す!と 思ったからです。

こちらでは 滅多にない干ばつに悩んでいるというのに 今でも リサイクルは進まない 好景気をいいことに 何でも使いっぱなし!の くせが抜けないので (しかも 京都議定書にもサインしてないし) もう見てるといい加減にしろ!と。 アル・ゴア来て 講演までしてったのに これですから・・・。

投稿: プリシラ | 2007年2月12日 (月) 19時49分

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受信: 2007年11月 4日 (日) 16時34分

» 「不都合な真実」を観る [紫@試写会マニア]
家族と食事していたら、この春はウグイスが多いよう気がするという様な話題になった。 そうしたらいつも読んでいるR25に、金沢でウグイスな鳴いたのは観測史上最速だったとか!昨今の異常気象にはホトホト悩まされます。 さて公開から随分遅くなってしまいましたが、アカデミー受賞作品・正にこの異常気象・環境問題を真正面からドキュメンタリーで‘伝えて’くれた、「不都合な真実」を観て来ました。 極最近、あのマドンナが来年度のアメリカ大統領選に再びゴア氏が立候補すれば、支援は惜しまないと表明、元副大統領は... [続きを読む]

受信: 2007年11月 4日 (日) 22時21分

» 不都合な真実 [skywave blog シネマな独り言]
人類への警告。ゴア元副大統領が、地球温暖化の現実を、ていねいにわかりやすく教えてくれます。 物事には必ず、始まりがあり、終わりがある。人類の終末へ,アクセルを踏み続け [続きを読む]

受信: 2007年11月 5日 (月) 06時03分

» 不都合な真実 [映画を観たよ]
今年は暖冬です。 [続きを読む]

受信: 2007年11月 7日 (水) 19時28分

» 映画〜不都合な真実 [きららのきらきら生活]
 「不都合な真実」公式サイトこれまた恐ろしい作品です。真剣に取り組まないと将来が、、、アメリカの元副大統領アル・ゴアが、温暖化へと突き進む地球を憂い、温暖化によって引き起こされる数々の問題を説くドキュメンタリー映画。地球の温暖化によって引き起こされる数々の問題に心を痛め、人々の意識改革に乗り出すべく、環境問題に関するスライド講演を世界中で行うアメリカ元副大統領アル・ゴア。そんな彼の勇気と希望に満ちた闘いを追いながら、人類が滅亡するまでの真実のシナリオを明らかにしていく。地球の温暖化、、、確かに言われ... [続きを読む]

受信: 2007年11月17日 (土) 10時49分

» 『不都合な真実』(2006) [【徒然なるままに・・・】]
元アメリカ副大統領アル・ゴアによる地球温暖化への警鐘。 どんなに言葉を尽くしても一枚の絵が持つ力には叶わない面があり、沢山の本を読むのも良いが、この映画を観ることによって如何に深刻な状態なのかがハッキリとわかるだろう。 ただそのことを頭では何となく理解出来、「まだ間に合う」と言われても、はたして自分に何が出来るのか、現状の生活を変えたくない、という気持ちもあり難しい。色々と考えさせられる作品である。 この作品は、観客に語りかける講演会形式で構成されたドキュメンタリーだが(講演会の記録に手を... [続きを読む]

受信: 2009年11月 9日 (月) 23時18分

» 映画『不都合な真実』 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:An Inconvenient Truth 確かに凄い、これは誰もが感銘を受けるドキュメンタリーといっていいかもね・・自らの生い立ち、不都合な政治家達、驚愕の地球温暖化がもたらす脅威・・ カエルの例はとても分かりやすくて、その愚かなカエルの習性と、なんら変わることのない... [続きを読む]

受信: 2009年11月10日 (火) 00時25分

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