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2007年2月24日 (土)

本 「仮説思考 -BCG流 問題発見・解決の発想法-」

本をいろいろ読んでいると、自分が今まで経験して自分の中で何か蓄積されたことを端的に表している本に出会えることがあります。
最近では、こちらの本がそれに当たります。

長年仕事をしていると、積み重なれた経験から知らず知らずのうちにスキルやノウハウが身に付いていきます。
僕の仕事はデザイン関連で、さまざまなマーケティング課題をデザインでソリューションする役割を社内で担っています。
課題はさまざまで与えられる時間もまちまちです。
そういう仕事をいくつもこなしていくのは、単なるデザインスキルというよりは、ものの考え方、思考法のスキルが必要になります。
効率的に効果的な答えを導くための思考スキル、それがこの本でも紹介されている「仮説思考」です。

この本でも従来的なやり方として紹介されているのが「網羅的思考」です。
さまざまなデータを集め、分析し、最も効果的であるという答えを導きだす。
一見これは正しい方法のように思えますが、お金と時間があればという前提がつきます。
日々スピードがもとめられ、こなす量も期待されていると、そんなことはできるわけもありません。
そういう状況で効率よくよりよい答えを導く方法が「仮説思考」になります。
現状あるデータ、情報においてよりよい答えである仮説をまず置く。
そしてその仮説をより確からしいと思えるように各種データを集めたり、検証を行う。
確信がもてればそれでよし、仮説が間違っているとわかれば、また別の仮説をたてる。
仮説が間違っていると無駄になるかと思うかもしれませんが、そうではありません。
「網羅的思考」ですべてを検証しているよりも、ある仮説に基づいて検証した方が当然確からしいかどうかという感触は早くわかります。
「網羅的思考」方法は最後までいかないと答えがわからないところに、効率性の悪さがあります。
デザインの開発でもたくさんの方向性を検討するというやり方がありますが(僕はこれを360度展開と言っていますが)、これは明らかに無駄です。
若い頃仮説がたてられるほど経験がなかったときはこういうやり方もしましたが、最近ではいくつかの方向性をつけデザインを開発していきます。
間違いは早めにわかるし手もうてる。
そう思って仕事をやってきましたが、まさにこの本ではその考え方をわかりやすく書いてありました。

会社の中で中堅どころで、いろいろ仕事があって処理しきれない、いい仕事の進め方はないのかと思っている方は一読をお勧めします。

「仮説思考 -BCG流 問題発見・解決の発送法」 内田和成著 東洋経済新報社 ハードカバー ISBN4-492-55555-2

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