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2007年1月19日 (金)

本 「ボーナス・トラック」

第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作です。
ひき逃げ事故で死んでしまった亮太が、幽霊(?)として地上にとどまり、それを見える若い男の草野の家にしばらく居候する・・・。
映画「ゴースト」などでもある幽霊ネタの物語でそもそもその点においては、オリジナリティのようなものは感じない。
けれど読んでいてなんかいいのです、この作品。
出てくるほとんどの登場人物がいい人なんです。
世の中の風潮を反映しているのか、最近は小説もまったく共感できない人々がでてきて読んでいて辛いときがあります。
宮部みゆきさんの小説なんかでは性根からしての悪人がよくでてきますよね。
本作品「ボーナス・トラック」の登場人物はほんとにいい人たちばかり。
読んでいてほっとします。
主人公が死んだことをあまり深刻に受け止めておらず、相棒との会話も軽妙だったりして、読みやすくすらすらと行ける感じですね。
ラストでもほろりと涙をさそうような物語で、読後感もいいです。
最後まで読むとタイトルの意味もわかったりします。
午後半日ゆっくりとした時間がある時に、読むにはいい本ではないでしょうか。

「ボーナス・トラック」 越谷オサム著 新潮社 ハードカバー ISBN4-10-472301-0

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