本 「妖虫」
講談社江戸川乱歩推理文庫版で、「妖虫」と未完である「悪霊」が収録されています。
講談社のこのシリーズは僕が好きなイラストレーター天野喜孝さんが表紙を描いているので古本屋で目につくと買ってしまいます。
さて内容についてですが、まずは「妖虫」から。
文庫の解説で中島河太郎さんが書いているように、江戸川乱歩の今まで使用したお得意のネタを出してきただけという印象は否めません。
あと、これも中島氏が書いていますが、探偵役が魅力的ではないですね。
もうすこし特徴というか、キャラ立ち(江戸川乱歩の頃は無論こんな言葉はないでしょうが)した探偵が欲しかったですね。
「悪霊」の方は未完となっていますが、一章、二章と小説の書き方(一人称から三人称へ)を変えたりしているところに苦労を感じますが、どうにも収拾つかなくなった感じがします。
物語も何かノリが悪い感じがしました。
書き続けるのが苦痛だったのでしょうか。
「妖虫」 江戸川乱歩著 講談社 文庫 ISBN4-06-195215-3
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