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2007年1月13日 (土)

「帝都物語」 嶋田久作さんでリメイクを、是非

先日亡くなられた実相寺昭雄監督の1988年の作品。
原作は荒俣宏さんの同名の小説「帝都物語」です。
「陰陽師」や「風水」等、今では一般知識となっている言葉も、荒俣さんが「帝都物語」で使うようになってからポピュラーになった言葉です。
この小説には学生時代に大いにハマりました。
原作者荒俣宏さんの幅の広い博学ぶりに圧倒され、この作品を読むことを通じていろんなものに興味を持ちました。
歴史、科学、博物学、文学、宗教、オカルト等々、自分がいろんな本を乱読するようになったのは、荒俣宏氏の影響は少なからずあるでしょう。

そして「帝都物語」の監督は実相寺昭雄さん。
この監督はある意味、僕にとってのカリスマでもあります。
これも学生時代ですが、8mmで映画作りをちょこっと齧ったりしたのですが、実相寺監督の凝った画面作り、ライティングなどは大いに影響されマネをしたりしてました。
子供の頃に夢中になっていた「ウルトラマン」を、なかでも子供心にも不思議な印象をもった話を実相寺監督が撮っていたことを学生時代に知り、驚いたものです。

「帝都物語」の映像は、まさに実相寺監督が作ったという印をいたるところに感じさせるものに仕上がっています。
光と影のコントラストを活かしたライティング、極端にパースがついてレイアウトされた構図などはまさに実相寺スタイル。
このように個性がでる監督は、そうそういないものだと思います。
今見ると、当時最先端だったビデオ合成を駆使していますが、やはり現在のCGに比べるともの足りないですし、ミニチュアのストップモーションアニメーションなどもやや古くさい感じがします。
けれども先にあげた実相寺監督の映像スタイル自体は褪せるものではない気がしました。

ストーリーとしてはかなりの長編となる原作を映画化しているので、無理があるところがあるのは否めません。
原作を読んでいないと、最初の入りのところで加藤に由佳里が狙われるのか、その理由が思いっきり端折られているので、映画で初めて「帝都物語」に触れる人はとまどうでしょう。
それ以外にも話がジャンプしている箇所があるのでとてもわかりづらく、脚本としては出来はあまり良くないと思います。

ただその弱点を補ってあまりあるのが、加藤保憲役の嶋田久作さんのキャスティングでしょう。
原作でも異様に顔が長い異相という表現をされている加藤ですが、まさに嶋田さんはそのイメージぴったり。
特徴のある低い声も加藤の持つ不気味さを醸し出しています。
加藤が本当に生きて現れたよう。
加藤は嶋田さん以外にありえないいうほどのマッチングです。
「妖怪大戦争」で豊川悦司さんが加藤を演じていましたが、やはり違和感ありました。
このときも是非嶋田さんにやっていただきたかったです。

CG等の特殊技術も進化した現在で、もう一度この作品をリメイクしてくれたら嬉しいのですが・・・。
もちろん嶋田久作さんで、是非。

「帝都物語」の原作者荒俣宏氏のノンフィクション「奇想の20世紀」の記事はこちら→

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コメント

四つ葉さん、こんばんは!

嶋田久作さんの加藤を見たときは、小説の加藤がそのまんま現実になったようなインパクトがありました。
「帝都物語」には勝新太郎さんなど大物俳優もかなり出ている隠れた大作だったりするんですよね。
石田純一さんの辰宮洋一郎はまったくイメージ違っていましたが・・・。

投稿: はらやん | 2007年1月26日 (金) 23時54分

私も学生時代に、原作小説にハマりました(笑)
映画の方は、見た記憶はあるのですが、細かい部分までは
思い出せません。嶋田さんの加藤だけは鮮明に覚えていますが…
映画は、実相寺昭雄監督作品だったのですね。
原作ありきの映画化、リメイクが流行している昨今。
嶋田久作さんでリメイク!ぜひともやって欲しいです♪

投稿: 四つ葉 | 2007年1月25日 (木) 00時05分

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