本 「ステップファザー・ステップ」
宮部みゆきさんのライトな感じのミステリーです。
ショートストーリーの連作になっています。
「今夜は眠れない」の系統でしょうかね。
宮部みゆきさんは「模倣犯」などの重めのミステリーも読み応えあっていいですが、この作品のような軽めのものもおもしろいですね。
直と哲の中学生の双子と、ひょんなことから二人の父親代わり(ステップファザー)をすることになってしまった職業的な泥棒の「俺」のまわりで、毎回事件が起こります。
この作品はミステリーですが、その事件の謎解きに大きなトリックを使っていたり、社会性のあるテーマを取り上げているわけではありません。
どちらかというと、突然双子の親になってしまった主人公「俺」の人情ものといった感じでしょうか。
いつか二人の本当の親が戻ってきたら別れなくてはいけないと、あまり子供たちに愛情を持たないようにする「俺」がかわいい。
結局二人が困るとがんばってしまうのだけれど…。
直と哲の二人の話し方がとってもユニークです。
文節ごとに代わりばんこにしゃべるんですよね。
まさに二人で一人といった感じです。
「ステップファザー・ステップ」 宮部みゆき著 講談社 文庫 ISBN4-06-263285-3
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