「悪魔が来りて笛を吹く」(2007・TVドラマ) ライトな金田一
昨年末に「犬神家の一族(2006)」を観賞して、ようやく横溝トラウマ解除されたので、ちょうどタイミングよく放送されたフジテレビの「悪魔が来りて笛を吹く」を観ました。
あまりこういう2時間サスペンスは見ないのですが、たまたま演出:星護さん、主演:稲垣吾郎さんの名前を見たので、これは観てみようと。
このお二方、「笑の大学」のコンビですね。
あと星護さんは「古畑任三郎」も演出されていたので、期待しての観賞です。
当然、今までのの映画化作品、原作はまったく知らず(当然、犯人も知らず)で観てみました。
先日の市川崑監督の昭和テイスト溢れる「犬神家の一族」を観てしまったせいか、まず気になったのは全体の画面の明るさ。
フィルムではなくビデオでの撮影だから仕方がないのでしょうけれど、僕の中の横溝作品の陰々としているイメージとちょっと違うなと思いました。
あと稲垣金田一が、どうもしっくりとこない。
稲垣さんは演技が下手なのか、それともわざとなのか、台詞回しがちょっと芝居がかっていましたね。
前半は「笑の大学」に通じるちょっとコメディな雰囲気も感じました。
キャスティングも「犬神家の一族」の強烈な三姉妹に匹敵するようなメンバーではなかったので、画面の仕上も相まってライトな感覚だなと思いました。
ストーリーは原作そのままなのでしょうか。
さすが横溝正史、複雑な人間関係の中、事件が起こるさまをきちんと構成しています。
謎解き編はけっこう楽しめました。
このあたりは推理ものの醍醐味。
ただし語られている内容はかなり忌まわしい内容。
そういうのが苦手な僕は、普段だったら「うへェ」と気後れしてしまうのですが、星監督のライトな演出で救われました。
市川監督だったら、富士純子さんがでていたら、げんなりしちゃったかもしれないです。
フルートの曲に隠された謎は原作の小説からのプロットなのでしょうけれど、非常におもしろかった。
横溝正史、いいじゃないですか。
俄然横溝作品を読んでみてみたい気分になってきました。
そういう意味で観てよかったかな。
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