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2006年12月31日 (日)

本 「偽史日本伝」

弥生時代から明治時代で有名な歴史的エピソードを、「実はほんとはこんなだったのよ」といった偽の歴史をユーモア交えて描いた短編集です。
とりあげたエピソードもメジャーな話ですし、全体的に軽いタッチなので、歴史ものニガテという方でも楽しく読めるのではないかなと思います。
全14編ですが、お気に入りのエピソードをいくつかご紹介します。

「おそるべき邪馬台国」
邪馬台国がどこにあったのか、それは未だに研究者の間でも決着がついていない問題です。
北九州にあったのだ、大和にあったのだなどといろいろな説がありますが、そもそも邪馬台国の場所について言及されている「魏志倭人伝」の記述がひどく曖昧なのです。
つまりどうとでもとれるような書き方をされているのです。
それを逆手にとったアイデア、なかなか小気味良いです。

「苦労判官大変記」
ご存知義経と武蔵坊弁慶の逸話を題材にとってます。
美形で通っている義経が実は・・・。
これもなかなかのアイデア。
山田風太郎の忍法帖で使いそうな感じもします。

「嵐」
元寇を題材にしています。
収録されているものの中では、最もSF色の強い作品。
元寇が何故起こったのか、その原因をSF的解釈で解き明かします。
なるほどと膝をうちたくなるアイデア。

「人生かし峰太郎」
坂本龍馬暗殺を取り上げています。
突然現れ、坂本龍馬を暗殺から救い出す謎の男。
その名は田原峰太郎。
その人物は何者か。
読んでみるとうまいパロディだということがわかります。

代表的な作品をご紹介しましたが、なかなかおもしろい作品集なので、是非。
(僕は古本屋で見つけたので、なかなか探しにくいかもしれませんが・・・)

「偽史日本伝」 清水義載著 集英社 ハードカバー ISBN4-08-774266-0

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