本 「ダンス・オブ・グランプリ -県立厚木高校ダンスドリル部全米制覇の記録-」
この夏テレビドラマで放映されていた「ダンドリ。」の原案となったノンフィクションです。
神奈川の県立高校のダンスドリル部がアメリカのチアダンス大会で優勝したという実際にあった話を追っています。
この高校生たちは高校に入ってからチアダンスをはじめ、それから2年で全米制覇をしたというから驚きです。
この本の中ではその高校生の言葉がいくつかでてきます。
その中でよく出てくるのが、「うちららしく」。
その「うちららしさ」とは何なのか。
高校生が何人も集まり厳しい練習をしていれば、必ず何か諍いや思いのすれ違いが起こります。
しかしこのモデルとなった高校生たちはそのようなことがあっても、必ずきちんとその日のうちに思いを話し合います。
なにかもやもやしたまま、持ち越さない。
言い合いになっても、みんながはっきりと自分の気持ちを言う。
それが結果的には相互理解につながっていき、連帯感が生まれてくる。
馴れ合いではない連帯感。
それが彼女たちのいう「うちららしさ」なんですね。
今時の若い子たちは個人主義、自分さえよければというのが強いイメージがあったのですが、こんな子たちもいるんだなと感心しました。
モデルとなった高校生たちのがんばる姿は非常に良かったのですが、読み物としての本の出来はあまり良くない。
これはライターがあまり良くないのだと思う。
全体的に文章が稚拙で、読んでいて臨場感があまり感じられなかった。
この手のノンフィクションは自分もその場に居るような気持ちにさせることが重要だと思うのだけれども。
そこがちょっと残念でした。
「ダンス・ラブ・グランプリ -県立厚木高校ダンスドリル部全米制覇の記録-」 長谷川晶一著 主婦の友社 ハードカバー ISBN4-07-244274-7
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