「バックダンサーズ!」 涙腺の蛇口がキュッと閉まる
映画「フラガール」、TV「ダンドリ。」と最近ダンスもので涙腺が緩んでいるので、その勢いで「バックダンサーズ!」を観てきました。
感想ですが、観ていて涙腺の蛇口がキュッと閉まってしまいました。
一滴の涙もでてきませんでした。
「フラガール」もありがちと言えばありがちなストーリーなのですが、魅力的な登場人物のため感情移入がとてもしやすく、最後のダンスは自分のことのようにドキドキしながら観ることができました。
対して本作「バックダンサーズ!」はあまりにご都合主義な脚本に興をそがれ、登場人物への思い入れに至りません。
冒頭にあげた二作品では、登場人物はそれぞれ悩みを持ち、ダンスを続けるにあたりさまざまな困難に直面します。
しかし彼女たちはダンスが好き、仲間が好きという想いでそれらの障害を少しずつ克服していき、物語は最後には一人だけではなくみんなの気持ちが合わさった、言葉を超えた肉体の表現としてのダンスにおいて最大のボルテージを迎えます。
それは劇中の登場人物、そして観ている観客の気持ちがシンクロする瞬間で、観ている僕たちはそこで達成感=カタルシスを得ることができます。
そのカタルシスを得るためにはキャラクターへの共感を持って同一化ができないと厳しく、それがないと目の前で淡々とストーリーが流れているのを眺めているという感じになります。
本作はそれがしにくい。
この作品でも四人のキャラクターは背景があり、それぞれの悩みは描かれます。
ただそれらの悩みは、そのキャラクターが自分なりの答えを発見したことにより克服するわけでなく、大概は成り行きでなんとかなったように見えます。
彼女たちの想いの強さが伝わってこず、その想いが自分のことのように思えない。
ラストのダンスをいかに女優さんたちががんばって踊っていたとしても思い入れができないため、人ごとと見えてしまう。
そこでは涙はでてこない。
周辺のキャラクターもあまりにテレビチック、類型的で興ざめします。
「フラガール」の脇役キャラの豊かさと比べると天と地ほどの差があります。
きわめて平面的で工夫のない脚本、演出でとてもがっかりした作品でした。
フラダンスを題材にした映画「フラガール」の記事はこちら→
チアダンスを題材にしたテレビドラマ「ダンドリ。」の記事はこちら→
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187「バックダンサーズ!」(日本)
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今日は某出版社で当選した 『バックダンサーズ!』の試写会に行ってきた。 《私のお気に入り度:★★★ [続きを読む]
受信: 2006年10月 9日 (月) 23時20分
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受信: 2006年10月10日 (火) 00時55分
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2006年:日本 【2006年9月9日公開】[ 上映劇場 ]
監督:永山耕三
脚本:永山耕三 衛藤凛
【キャスト】
ソニン 平山あや hiro サエコ
田中圭 長谷部優 北村有起哉
つのだ☆ひろ 甲本雅裕 鈴木一真
舞 梶原善 浅野和之
木村佳乃 真木蔵人 豊原功補
石野真子
陣内孝則
(ものがたり)
トップヴォーカリスト突然の引退!
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» 『バックダンサーズ!』@ユナイテッドシネマとしまえん [映画な日々。読書な日々。]
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受信: 2006年10月14日 (土) 00時37分
» 【劇場鑑賞96】バックダンサーズ!(BACKDANCERS!) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
トップヴォカリストの突然の引退!
残された4人のバックダンサーズたち!
ピンチをダンスで
チャンスに変えろ!
[続きを読む]
受信: 2006年10月14日 (土) 14時32分
» 『バックダンサーズ!』を観たよ。 [【待宵夜話】++徒然夢想++]
熱くてクサい青春映画が大好きで、わざと狙ってそういうのを何本も観ていて、相当免疫ついているはずの私が、「うわ! この映画、クサすぎ!!」とあいた口がふさがらなくなってしまったわけだから、……尋常でなくクサいんだ... [続きを読む]
受信: 2006年10月15日 (日) 23時43分
» バックダンサーズ! [とにかく、映画好きなもので。]
月の下で踊る少女達。上がりの無い希望を追い求め、その中のほとんどは、散っていってしまう世界。
人気絶頂のまま、引退を発表した樹里。彼女の後ろで踊っていた4人のバックダンサー達。
ダンスの才能に恵まれたよしか(hiro)、情熱は人一....... [続きを読む]
受信: 2006年10月19日 (木) 19時28分
» バックダンサーズ!<試写会> [お萌えば遠くに来たもんだ!]
観てきました。
<よみうりホール>
監督:永山耕三
脚本:永山耕三 衛藤凛
結構面白かった。
117分、“旬”な女の子達のダンス、たっぷり堪能させていただきました。
他にすることがなくて、なんとなく、あるいはやむを得ずアイドルの後ろで踊るコトを選んだ4人組が、それぞれちゃんと「今」を「未来」を見つめて生きて足掻いてる。
「ダンス」しかなくて、「ダンス」でゴールすることを夢見て。だけどそ�... [続きを読む]
受信: 2006年10月21日 (土) 08時37分
» 『バックダンサーズ!』 [唐揚げ大好き!]
『バックダンサーズ!』
一緒に見た夢は終わらない!!
予告編を観た時、安室奈美恵が抜けた後のスーパーモンキーズの話かなと思ってしまいました。
確かにチラッと匂わせている所はありましたけどね・・・、スーパータイガースとか名前付けてるし。
でも... [続きを読む]
受信: 2006年10月22日 (日) 04時24分
» バックダンサーズ! [ayaxgogo]
ベリーベリーサタデー!せっかく外出したのにそのまま帰るのもなんだかもったいない、ということで頂き物の「バックダンサーズ!」特別鑑賞券を使って無料で鑑賞してきました。<あらすじ>人気ヴォーカリスト、ジュリのバックダンサーとして活躍する4人。ある日ジュリの...... [続きを読む]
受信: 2006年10月28日 (土) 15時05分
» 「バックダンサーズ」試写会にて [xina-shinのぷちシネマレビュー?]
このあいだ本日から公開の『バックダンサーズ』の試写会に行ってきました。 [続きを読む]
受信: 2006年10月29日 (日) 20時16分
» ■ バックダンサーズ!/久しぶりに〜hiroを! [今日なにした?明日なにする?]
楽しめました
【あらすじ】
音楽界、映画界で活躍する、hiro、平山あや、ソニン、サエコの4人が
メインボーカルの突然の脱退によって、解散寸前に追い込まれながらも奮闘する
バックダンサーを熱演した青春ダンス映画 。
ダンスへの情熱を捨てず、夢に向かって走り続ける女の子4人をキュートかつ元気に描く。
アップビートの音楽に乗せて踊る迫力のダンスシーンあり。
-----------------------------------------------... [続きを読む]
受信: 2006年10月31日 (火) 09時41分
» バックダンサーズ [なんちゃかんちゃ]
「東京ラブストーリー」をはじめ、フジテレビの“月9”ドラマを演出してきた永山耕三の劇場映画監督デビュー作。ダンスを愛する女性たちにスポットを当てた青春ストーリー [続きを読む]
受信: 2006年11月 1日 (水) 21時23分
» バックダンサーズ!(試写会) [Movies!!]
hiro、平山あや、ソニン、サエコ、田中圭、長谷部優、木村佳乃、陣内孝則出演。永山耕三監督作品。
ミウ(平山あや)とよしか(hiro)はストリートで一緒に踊っていたジュリがスカウトされたのをきっかけに、ともえ(ソニン)と愛子(サエコ)を加えた4人でジュリのバックダンサーとして抜擢される。ジュリは瞬く間にトップ・アイドルへと成長するが、人気絶頂の中、電撃的に引退を発表する。そして、バック�... [続きを読む]
受信: 2006年11月 6日 (月) 13時21分
» 映画 バックダンサーズ! をみた [僕のつぶやき。 ネットの窓から。]
バックダンサーズ! プレミアムエディション [DVD]クリエーター情報なしギャガ・コミュニケーションズ
この映画は女の子4人組を主人公にした青春映画である。演じるのは。hiro、平山あや、ソニン。サエコである
みどころは4人と70年代の音楽を表現する陣内孝則たちだ。
...... [続きを読む]
受信: 2013年3月 6日 (水) 22時12分
コメント
>t-higuさん
僕は「フラガール」を観た後に、こちらの映画を観てしまったため、どうしても比べてしまいました。
心を揺さぶられなかったんですよね・・・。
投稿: はらやん(管理人) | 2006年10月21日 (土) 11時20分
TBありがとうございました。
この映画、「ダンスだけ」っていう感じが否めないですね。
確かに、ダンスはよかったと思うのですが...。
投稿: t-higu | 2006年10月20日 (金) 08時23分
>ミチさん
この映画、「フラガール」の後に観たためどうしても比べてしまいます。
もう少し気持ちが盛り上がってダンスシーンに突入してほしかった。
なんとも中途半端感がある映画でした。
欲求不満が残ります・・・。
投稿: はらやん(管理人) | 2006年10月11日 (水) 20時40分
こんにちは♪
TBありがとうございました。
ダンスモノは大好きなのです。
この映画もそれなりに良かったのですが、カタルシスが足りないように思いました。
それはダンスの種類によるのか、それとも演出によるのか分かりません。
多分後者だと思うのですが・・・。
投稿: ミチ | 2006年10月10日 (火) 00時09分
>とんちゃんさん
そうなんですよねえ、先に「フラガール」を観てしまったもので、どうしても比べてしまいます。
もう少し登場人物掘り下げてくれたら良かったんですけど・・・。
HNの間違い気にしないでくださいね。
私も自分でよく打ち間違えます(笑)
投稿: はらやん(管理人) | 2006年10月 9日 (月) 23時15分
こんばんは~♪
TB有難うございました。
以前、コメいただいた時に レスに
「はやらん様へ」と書いてしまったの。
(*_ _)人ゴメンナサイ
読み間違え、早トチリ 誤字・脱字の権化なもので・・・~(=^‥^A アセアセ・・・
>一滴の涙もでてきませんでした。
(⌒▽⌒)アハハ!
「フラガール」を先に観たら そうかもですね^^ 私もこの映画は イマイチ 何を描きたいのか どれもこれも描写不足で物足りないと思います。
でも 泣き上戸なので5滴ほどは涙が出ましたが(笑) 何だか青春物に弱くて^^
投稿: とんちゃん | 2006年10月 9日 (月) 21時56分