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2006年10月 1日 (日)

本 「マリー・アントワネットの遺言」

結構フランスを舞台にしている歴史小説が好きです。
佐藤賢一氏の作品が好きだというところもありますが、本作の作者藤本ひとみ氏の小説もよく読むので、この時代が好きなのかもしれない。

両氏は同じようにフランス革命前後のフランスをよく選ぶが、目線はやはり男と女の視点の違いが出てくると思う。
佐藤氏の描く登場人物からは男の生き様、不器用さ、また凶暴さと言ったものを感じる。
藤本氏の作品では、内面に渦巻く欲望に翻弄される男女を描いていることが多いと思う。
また藤本氏の作品では、女性から見た官能を感じることができる表現がある。
やはりこのあたりの湿った感じというのは、同じように佐藤氏の作品の中にあるエロティックな場面では男の凶暴性の現れみたいな表現になるのに比べて、女性の視点なのだろうか。

フランス革命というのは歴史が大きく動いたこともあり、マリー・アントワネットなど超有名な歴史上の人物が登場する。
こういう登場人物をそれぞれの作者がどう扱っているかを読み比べるのもおもしろい。
両氏の作品でも同じ時代・人物を扱った小説がある。
例えば、
 藤本ひとみ 「ジャンヌ・ダルク暗殺」
 佐藤賢一 「傭兵ピエール」
などです。
合わせてリュック・ベンソンの映画「ジャンヌ・ダルク」なども見てみるといいかもしれない。

「マリー・アントワネットの遺言」藤本ひとみ著 朝日新聞社 文庫 ISBN4-02-264299-8

ソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」の記事はこちら→

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