« 「フラガール」 人を育てるということ | トップページ | 「バックダンサーズ!」 涙腺の蛇口がキュッと閉まる »

2006年10月 8日 (日)

「武士 -MUSA-」 漢(おとこ)の生き様を見よ!

朱元璋が明を興し、元を再び草原に追いやった時代が舞台です。
なかなか中国・韓国の歴史はなじみがないですが、日本の歴史で言うとちょうど室町時代になります。
映画の冒頭、長年蒙古に服属していた高麗は明との和平を結ぶために使節団を南京に送ります。
しかしあらぬ疑いをかけられ、使節団は流刑とされてしまうところから物語は始まります。

まったく期待していなかったのですが、骨太に描かれた男の生き様を堪能できるなかなか良い作品です。

映像としては、戦争スペクタクルものとして当然ながら、迫力ある合戦シーンなどもあります。
黒澤明の「乱」のように大人数のエキストラを使ったを重厚な映像でした。
「ロード・オブ・ザ・リング」のようにCGで増やした兵士を使った戦闘シーンも大いに興奮しますすが、こういうリアルな映像も別の意味で迫力あります。
血なまぐささもありますが、それが戦闘の重々しさをリアルに表していたような感じがします。

この作品、何が良かったかと言えば、それぞれに男らしさを感じるキャラクターとそれにベストマッチの俳優たちです。
公開時はチャン・ツィイー出演を売り文句にしていたかと思いますが、この作品は男優陣がとてもいい。
(もちろんチャン・ツィイーの美しさも堪能できます。
「グリーン・ディスティニー」でもそうでしたが、ちょっと生意気なお嬢様が似合いますね。)

まず寡黙な奴隷剣士ヨソル。
このキャラクターをチョン・ウソンは、大きな体躯を活かし堂々と演じています。
大柄な体を使い、ぶんぶんと槍を振り回す姿は武神のよう。
義を重んじ、かつ愛を内に秘め、それに殉じる姿はまさに漢(おとこ)です。
男が惚れこむタイプかもしれません。
物語でも、敵である蒙古軍の将軍は、その力量を見抜き武士<ムサ>として手に入れようと欲します。

そしてアン・ソンギが隊正役を演じます。
この隊正というキャラクターは知恵者であり、かつ行動力がある男。
部下たちの気持ちをくみ上げ、皆をまとめあげ引っ張っていく。
男がいつかはこうありたいと願うリーダー像で、アン・ソンギがしぶーく演じています。
こういうのもかっこいい。

そして最後にチェ・ジョン将軍。
自分自身の臆病さを、プライドで覆い隠している青年将軍です。
いくつかの失敗をし、人の命を犠牲していくなかで、自分自信の弱さに気づき克服することにより、成長していきます。
男の弱さ、繊細さを表現しているキャラクターでしょう。
チュ・ジンモがプライドが高いが、内面はナイーブな青年をよく演じていますね。

この作品見た時にふとイメージしたのは、「北斗の拳」。
荒れ果てた荒野を舞台にしているということもあるでしょうが、義に生き、愛に死す男たちの生き様から思い浮かんできたのかもしれません。
「七人の侍」のにおいも感じます。
においたつ男のロマンを感じる作品ですね。

にほんブログ村 映画ブログへ

|

« 「フラガール」 人を育てるということ | トップページ | 「バックダンサーズ!」 涙腺の蛇口がキュッと閉まる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/186553/12200989

この記事へのトラックバック一覧です: 「武士 -MUSA-」 漢(おとこ)の生き様を見よ!:

» MUSA -武士 今年の19本目 2月11日 [猫姫じゃ]
MUSA -武士 韓国/中国合作なんだケド、韓国色が強いかなぁ、、 ストーリーは、すっごくよい。良くできてるわ。 133分と長いんだケド、全然長さを感じない。 いいのよ、いいのだけれど、、、武士ね。 映像がきれいじゃない。 こういうのを、「むさくるしい」...... [続きを読む]

受信: 2006年10月 9日 (月) 22時14分

» MUSA -武士-/チャン・ツィイー、チョン・ウソン、チュ・ジンモ、アン・ソンギ [カノンな日々]
意外と面白くて楽しめたんですよね。確かに腕や首が吹っ飛ぶ場面はこの映画に限らず好きではないけど、物語としてはスケールも大きいし見応えありました。大陸の列強の脅威に常にさらされ続ける朝鮮半島ならではのお話はこれまでにあまり接する機会もなかったので新鮮な感じ....... [続きを読む]

受信: 2006年10月 9日 (月) 22時16分

» 映画「MUSA -武士-」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
元から明へと時代が変わろうとする頃、明と友好関係を築くため、1375年に南京城へと向かった実在の高麗王朝の使節団の過酷な運命の物語。 南京城に辿り着いたらスパイ容疑で砂漠地帯へ流刑、途中で元軍に襲撃され明兵が全滅、使節団は放置される。チェ・ジョン将軍(... [続きを読む]

受信: 2006年10月10日 (火) 00時47分

» MUSA-武士- [MOVIEMEMORY]
★★★★★■2001年 韓国/中国 133分■2006.1.14 T.V■監督 キム・ソンス■出演 チョン・ウソン チュ・ジンモ アン・ソンギ チャン・ツィイー ユー・ロングァン《story》朝鮮の高麗は、友好を求めて、中国の明の使節団を送る。しかし、スパイ容疑をかけられ、砂...... [続きを読む]

受信: 2006年10月12日 (木) 05時56分

» MUSA-武士 [とんとん亭]
「MUSA-武士」 2001年 韓国 ★★★☆☆ 1375年、中国は元から明へ王朝が変わろうする混沌とした時代だった。 朝鮮半島の高麗王朝は和睦のために外交使節団を明に送ったが、この使節団はスパイ容疑で遠くの砂漠に流刑にされてしまう。砂漠には荒くれ...... [続きを読む]

受信: 2006年10月12日 (木) 07時50分

» MUSA -武士- [C'est Joli]
MUSA -武士-2001年/韓国 監督:キム・ソンス「太陽はない」「ビート」「ランナウェイ」出演:チャン・ツィイー,チョン・ウソン,チュ・ジンモ,アン・ソンギ Story『グリーン・デスティニー』で世界的に成功を収めたチャン・ツィイー...... [続きを読む]

受信: 2006年10月13日 (金) 19時57分

» MUSA-武士- [映画通の部屋]
「MUSA-武士-」製作:2001年、韓国=中国  133分 監督:キム・ソンス [続きを読む]

受信: 2006年10月14日 (土) 19時31分

» 武士~MUSA~ [ライターへの道~私の観るもの、感じる事を伝えたい!~]
チャン・ツィイー/チョン・ウソン/MUSA?武士?特別版 ¥3,129 アサヒレコード       武士~MUSA~(2001年、韓国/中国、ワーナーブロス) http://www.whv.jp/title/musa/ 監督:キム・ソンス 出演:チャン・ツィー、チョン・ウソン、チュ・ジンモ... [続きを読む]

受信: 2006年10月16日 (月) 16時09分

» 「MUSA/武士」 [てんびんthe LIFE]
2001年 韓国/中国 1375年、朝鮮の高麗は明朝と友好関係を築くため、南京城へ使節団を遣わした。しかし、城に辿り着いた使節団はスパイ容疑をかけられ、広大な砂漠地帯へ流刑される羽目に。ところが一行は、砂漠へ向かう途中、明を目の敵にする元軍の襲撃に遭い、使節団を連行していた明の兵士が全滅してしまう。図らずも解放された形となった使節団のチェ・ジョン将軍は高麗への帰国を決断する。その帰途、一行はランブルファ将軍率いる元軍と遭遇、彼らに捕らわれていた明のブヨン姫に助けを求められる。チェ将軍は帰国を中断、... [続きを読む]

受信: 2006年10月16日 (月) 16時32分

» 映画:MUSA~武士~ [駒吉の日記]
本日から「私の頭の中の消しゴム」が公開。試写会 でもう観たのですが、TVCMをみてるとまた観たくなりました。 でチョン・ウソンさんが来日してた試写会を思い出しました。そのときの日記です↓ ★2003/11/11(火) 『MUSA 武士』 試写会@九段会館... [続きを読む]

受信: 2006年10月17日 (火) 13時15分

« 「フラガール」 人を育てるということ | トップページ | 「バックダンサーズ!」 涙腺の蛇口がキュッと閉まる »