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2006年9月16日 (土)

本 「仄暗い水の底から」

「リング」等で有名な鈴木光司氏の中編集。
僕は恐がりなので、あまりホラーものは本も映画も敬遠している。
でも鈴木光司氏のホラー作品は読んでしまうのだ。

鈴木氏の作品は、ハリウッド作品にあるような気持ち悪いもの、恐ろしいものを直接視覚的に見せて驚かせるような怖さではない。
文章であっても視覚的な描写を積み上げて、怖がらせる作品もあるが、そういうのとも違う。

鈴木氏の描く恐怖は、視覚的な怖さではない。
言うなれば、触感的な恐怖だ。
読んでいると何か肌にぬめりと触ったような気持ち悪さ、怖さ、よく見えないが確かにそこにあることがわかるという感触を味わう。
そういえば、子供の頃やった肝だめしで、一番怖かったのは暗闇で濡れたタオルをぴしゃりとやられたことだった。
触感から感じる恐怖は想像力をどんどん刺激していく。
いくらきっちりと蓋をしていても、水が沁み入るようにひたひたとあふれてくるような感じ。

目を隠している指の間から、怖いもの見たさで思わず見てしまうように、読まないようにしていても、彼の作品は思わず手に取ってしまう。

「仄暗い水の底から」 鈴木光司著 角川書店 文庫 ISBN4-04-188002-5

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