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2006年9月16日 (土)

本 「マッチメイク」

第49回江戸川乱歩賞受賞作です。
乱歩賞はユニークな設定の小説によく与えられるので、この賞をとった小説はよく読んでみたりします。
この作品も「プロレスで推理もの?」という意外な組み合わせだったので、興味がわきました。

読後感は意外にもあっさりとした印象を持ちました。
多分、登場人物、特に主人公の心理の掘り下げが浅いことによるものでしょう。
全編を通し一人称の小説なので、主人公の気持ちの描き方が浅いと最後までなかなか盛り上がらないように感じました。
物語が進行するに従い、事件に巻き込まれていく中での、恐ろしさ・悲しみ・復讐の気持ちが生まれたり、また青春小説的な側面もある作品なので、自分の行く末に対する不安・焦り・決断などがあるかと思うのですが、主人公の気持ちが変わっていく過程があまり丁寧ではないので、あまり切実さ感を共有できません。
最後はもっと感動できそうな感じがする話だと思うのですが、乗り切れない感じがしました。

周囲をとりまく登場人物ももうすこし深く描けばもっと魅力的に感じられるように思いました。

「マッチメイク」 不知火京介著 講談社 文庫 ISBN4-06-275480-0

メキシコの伝説のレスラーをモデルにした映画「ナチョ・リブレ 覆面の神様」の記事はこちら→

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