「仮面ライダー THE FIRST」 「ライダー愛」を感じない
昨年公開の映画ですが、上映館が少なく、また上映期間が短かったので未見でした。
ずっと気になっていたのですけれども・・・。
感想は残念・・・でした。
脚本は井上敏樹さん(お父さんは脚本家の伊上勝でこちらは昭和ライダーの脚本を手がけていました)で平成ライダーはずっと関わっている人なのですが、今回はあまり良くない。
「仮面ライダー」で、しかも本郷猛なのだから、改造人間の哀しみをもっと掘り下げてほしかった。
改造人間の哀しみは、ウエンツ瑛士さんと小林涼子さんのエピソードで多少でていたのですが、こちらもやや中途半端な感じがしました。
いい話なので、もっと描いてほしかった。
恋愛ものとしてこの作品を観ても、三角関係?の三人の気持ちの描き方が薄っぺらく、かつ台詞も心に響かず、がっくりしました。
井上敏樹さんは好きな脚本家なので、残念でなりません。
俳優陣もキャスティングが良くなかった。
小嶺麗奈さんはヒロインにしては役不足。
二人の男が奪い合う相手にはどうしても思えず、共感性が低かったように感じます(僕としてはです)。
主役の二人もしかりです。
個々の俳優さんとしてはいいと思うのですが、キャラクターにマッチしていたのでしょうか?
脇の俳優さんは良かったですね。
「仮面ライダー龍騎」でレギュラーの津田寛治さん、「魁!クロマティ高校 THE MOVIE」や「GARO」で怪しい演技をしていた板尾創路さんは、怪人っぽくクセのある感じがでていました。
お二人はもっと観ていたかったです。
アクションも「GARO」や「SH15UYA」をやっていた横山監督だったのですごく期待していたのですが、迫力不足。
マーク武蔵さんなどスーツアクターは手足が長くて、技も多彩で、個々の動きはかっこいいのですが、全体的には「GARO」で感じたカタルシスはほとんど感じませんでした。
クライマックスでダブルライダーがサイクロン号で海から飛び出してくるという話を聞いていて、こちらも期待していたのですが、肩すかしをくらいました。
唯一良かったのはデザインです。
ライダーや改造人間をリファインデザインした出渕裕さんの仕事は見事です。
「仮面」をかぶるという設定をうまく活かし、改造人間が「スーツ」を身につけているという感じをうまく表現できていたと思いました。
あとバイクのデザインもかっこいいですね。
満足度の高かった「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」を観た直後にこちらを観たので、がっかり度合いもひとしおです。
スタッフとしては今までライダーに関わっていた人たちなのですが、全体的に新しい試みを行うことに一生懸命になりすぎたきらいがあります。
「仮面ライダーカブト」の映画もいまいちだったので、もっと東映にはがんばってほしい。
「ライダー愛」を感じさせてくれ!
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