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2006年8月19日 (土)

本 「阿片王 -満州の夜と霧-」

戦後高度経済成長期に生まれた自分にとっては、満州国は明治維新などと同じくらい遠くリアリティのない、
歴史上の出来事に思えます。
満州国が日本の軍部による傀儡政権であり、そこで数々の惨い行いを日本人が行っていたことも歴史の知識としては知ってはいますが、なんとなく見てはいけないもの、避けたいものという意識はありました。
それでも映画や小説等では触れていたので、遠い国の出来事、フィクションのような感じもありました。
この本では、満州や上海を舞台に戦前〜戦後にかけて蠢いていた人々を丹念に取材して、「阿片王」と呼ばれた里見甫を中心にその関係者をルポルタージュしています。
そこに描かれる人々の生き様は生々しく、おどろおどろしく、そのためかあまりに人間臭く、そうか満州国はまだ60〜70年前に存在していた国なのだなあとやっとリアリティを持って感じることができました。

「阿片王 -満州の夜と霧」 佐野眞一著 新潮社 ハードカバー ISBN4-10-436903-9

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