「轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス」 戦隊シリーズは時代劇
「轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス」です。
この二、三年、スーパー戦隊シリーズの映画のレベルは高いですね。
30分強という時間の制約をポジティブに割り切り、ストーリーは極力シンプルにテンポのいいアクションで見せきっています。
観にくる人はヒーローの活躍が観たいのだということを制作サイドが素直に受け止めて、作っている感じがします。
オープニングのタイトルバックから立ち回りがありますが、5人それぞれ見せ場を作っています。
ワイヤー吊りアクションや合成カットを上手に使い、ワイドやアップのカットのテンポのいい切り替えで、近年の中でも屈指のアクションシーンではないかと思います。
名乗りシーンもケレン味たっぷりでなかなか良いです。
このあたりは歌舞伎の見栄を切るようなもので、「よっ!」とかけ声を出したくなるくらいの間合い、戦隊好きのツボをわかっている心地よさがあります。
また今年のレギュラー俳優陣も演技上手ですね。
特にレッド役高橋光臣さんは、ベテランアクション俳優倉田保昭さんとの掛け合いも堂々と演じていました。
個人的にはピンク役の末永遙さんがテレビであまり見せない表情をだしていたのが、よろしかったですけれども。
戦隊シリーズはある種のフォーマットがあるという点で、テレビ時代劇(水戸黄門のような)に近い感覚があると思います。
ここで印籠だしてくれという感じですね。
このような場合、制作サイドがあえてフォーマットを崩して創作欲を満足しても、観る側は不満足になってしまうかもしれません。
「ボウケンジャー」はそんな観る側(戦隊ファン)の満足ポイントがどこにあるか、作る側がわかってそこに見事に答え、さらに見応えがある作品に仕上げていると思います。
| 固定リンク
« 「香港国際警察/NEW POLICE STORY」 あの頃の憧れのジャッキーが復活 | トップページ | 「仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE」 ストーリーのスケールアップに映像追いつかず »
コメント