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2006年8月18日 (金)

「鉄人28号(2004)」 実写でやる意味は・・・

アメリカでも日本でも映画界ではリメイクがトレンドの一つになっています。
「鉄人28号(2004年)」もそういったリメイク作品の一つです。

皆さんご存知の通り、原作は横山光輝の漫画ですが、僕は原作やオリジナルのアニメや度々のリメイクもほとんど見ていないので、「鉄人28号」には特別の思い入れはありません。
ですので、「ここがオリジナルと違っていやだ」という見方はないですが、この2004年版の「鉄人28号」はほとんど評価する点がなかったように感じます。

まず気になったのがキャラクター設定です。
有名な漫画が原作であるため仕方がないところもあるかもしれませんが、キャラクターの描き方があまりに漫画的(デフォルメが強い)で生身の俳優がそれを演じるとやけに空々しい感じがし、観ていて興ざめしました。
コメディリリーフ的な警察幹部、少年がちょっと気になるお姉さん、喧嘩して仲良くなる友達・・・、この現代においては嘘くさく、あまりに工夫が感じられません。
戯画っぽいキャラクター付けを、肉体を持つ俳優さんが演じることが違和感を生み、最後まで感情移入しにくかったです。
もしこのようなキャラクターを描きたかったのなら、アニメーションなどの手法の方が最初からフィクションとして納得しやすかったので、観る側としてはよかったのかもしれません。
なぜわざわざ実写で撮ったのかという疑問がおこります。

また別の視点ですが、いわゆるアクション映画を観に行く場合、ある種のカタルシスを得にいくというところもあるかと思います。
派手な爆発や目の覚めるアクションなどといったものをみて、すっきりするといったところです。
「鉄人28号」に関しては、最後の鉄人とブラックオックスの戦いに至ってもスローモーな殴り合いで終止し、最後までカタルシスを得ることはできませんでした。
少年がリモコンでロボットを操っているのだから早い動きはリアリティがないということなのかもしれませんが、そもそも巨大ロボットが街を歩くだけでも現実味はないので、ここは割り切り映画として見せ場を作った方が良かったのではないでしょうか。
原作やアニメのテイストを気にしたのか、ロボットのデザインも実写になじみにくいものになっていて、実写を背景に超合金のおもちゃが動いているような安っぽさを受けました。
ここでもなぜわざわざ実写で撮ったのかという疑問に至ります。

この点、テレビシリーズですが2001年にフジテレビでオンエアしていた「鉄甲機ミカヅキ」という作品は、上記の2点のような不満点は見当たりません。
「鉄甲機ミカヅキ」は巨大なロボットを少年が操縦するといった点は「鉄人28号」や「ジャイアント・ロボ」と同じです。
ただ鬼才雨宮慶太監督らしく世界設定・人物設定は奥深く、ドラマも映像も見応えがあります。

「鉄人28号」では制作者がオリジナルに縛られ、最後まで実写でやる意味を見いだせなかったのではと思いました。

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