「エイリアン:ロムルス」強かった1作目のプロット
1979年の「エイリアン」は衝撃的でその後のSF映画に大きな影響を与えました。
この作品はSF映画の世界観でありながら、ホラー映画のようなスリラー的なエッセンスも盛り込んだという意味で新しかったように思います。
その後「エイリアン2」はジェームズ・キャメロンがさらに進化させ、スリラーというよりは戦争アクション映画としてアプローチしました。
2作目が1作目とは異なるアプローチをするというのは、斬新であったと思います。
その後、3、4と続編が作られましたが、勢いは失速。
それぞれの監督が新基軸で挑戦していることは理解しつつも、リプリーが神がかったきたりなど、やや方向性としては迷走していたように感じます。
その後、リドリー・スコットがエイリアンの始まりを描く「プロメテウス」「エイリアン:コヴェナント」を送り出しましたが、哲学的な内容ということもあり、そもそもの「エイリアン」が持っていたテイストは薄かったように思います。
本作「エイリアン:ロムルス」は時代的には「エイリアン」と「エイリアン2」の間に位置するということで、そもそもの始まりである「エイリアン」に原点回帰した内容となっています。
本作の冒頭で「エイリアン」でリプリーがエイリアンと死闘を繰り広げたノストロモ号の残骸が登場します。
リプリーが始末したはずのエイリアンをウェイランドユタニ社が回収し、秘密裏に研究をしていたのです。
本作の主人公たちは劣悪な環境の植民地星から脱出をしようとしている若者たち。
彼らは廃棄された宇宙船を使い脱走しようとしますが、その宇宙船こそウェイランドユタニ社がエイリアンを研究していた施設だったのです。
施設は破壊されひとっこ一人いません。
彼らが乗り込んだことにより、再びフェイスハガーたちが活動を初め、彼らに襲い掛かります。
基本的にプロットは1作目とほぼ同じです。
圧倒的なエイリアンたちに対して、若者たちは無力です。
仲間たちが少しずつ倒されていく中で、主人公のレインが生き残りをかけた戦いをサバイブしていきます。
そもそもレインはどちらかというと慎重派で、植民地からの脱出についても流されていった感じがあります。
しかしサバイバルを通じて、より生に執着し、そのために戦うということで、覚醒していく様はリプリーに通じます。
つまりは同じプロットを繰り返ししているわけではありますが、決してつまらないわけではありません。
どのように彼らがエイリアンと戦っていくかという部分は本作ならではのアイデアもあり、飽きさせません。
元々のプロットが非常に強かったということでしょう。
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