アメリカでは興行がイマイチと話題になっています。
理由としてはいわゆる「マーベル疲れ」だったり、キャプテン・マーベル以外の主要キャラクターが配信で登場したキャラクターであって馴染みがないと言われていますが、定かではありません。
そのような状況はあるにせよ、個人的には作品としてはよく仕上がっているかと思います。
私は少なくとも「クアントマニア」よりは楽しめました。
最近のマーベル作品は長尺になる傾向が強いですが、本作は尺そのものが短いということで編集自体も小気味よく、さらにはキャプテン・マーベル、モニカ・ランボー、ミズ・マーベルが能力を使うと入れ替わってしまうというギミックが、作品のテンポをあげています。
入れ替わりは映像的には今までにはないものですし、見ていて面白い(撮影は大変だったと思いますが)。
最近のマーベルはMCU自体が複雑化しているため、ややこしくなり敷居が上がっている傾向がありますが、本作はキャラクターのことをよく知らなくても、このいい意味でのライトな感じでとても見やすいものになっているように思いました。
そしてそのような小気味良さだけではなく、ドラマ的にもキャプテン・マーベルへの掘り下げがあり、興味深く思いました。
キャプテン・マーベルはアベンジャーズの中でも最強と言われ、向かう所敵なし、という存在でした。
しかしそのためかキャラクターとしては、孤高でありとっつきにくい印象もありました。
アベンジャーズのヒーローたちは、トニー・スタークにしても完璧な人間ではなく、その至らなさ自体がキャラクターの魅力となっていました。
キャプテン・マーベルはその至らなさがなく、完璧すぎて隙がない印象がありました。
しかし、本作では彼女のプライベート空間も描かれますし、さらには彼女はずっとしかめ面をしている印象があります。
完璧に見えていた彼女にも、心の中に負目があり、果たせなかった責任に対する後悔があることを我々は知ります。
キャプテン・マーベルは最強であるにも関わらず、地球を離れている期間が長く、なぜ彼女は地球の数々の危機に戻ってこなかったのか、という疑問が今までもありました。
しかし、その理由が本作で明らかになります。
それは彼女が我々が思うほどに完璧ではなく、彼女が自分自身を責めていることがあるということでした。
そしてそれを誰とも共有できず、孤独でいるしかなかったことを。
キャプテン・マーベルが実の姪のように可愛がっていたモニカ・ランボーは彼女の不在を責めます。
彼女自身も自分の不在の中で母親を失い、その悲しみに暮れている時、誰もそばにはいませんでした。
頼りにしたかった、キャロルおばさんも。
しかし、モニカもキャロルおばさんも完璧ではなく、孤独に苦しんてきたことを知ります。
そして、キャプテン・マーベルをヒーローとして崇めてきたミズ・マーベルことカマラも、ただの偶像ではなく生身の人間としてのキャロルを知ります。
彼女らはアクシデントによりチームアップしなくてはいけなくなりますが、それによってそれぞれを悩みを持つ個人として認識し、それを受け入れ本当のチームとなっていきます。
しかめ面をしていたキャプテン・マーベルの表情が次第に柔らかくなっていくのが良いですね。
こんなにチャーミングな女性だったのかと改めて発見があります。
テンポも良くてキャラクターも魅力がある。
最近のマーベル作品の中でも好印象の作品です。
<ここからは未見の方は見ないでください>
さて、話題のおまけ映像についてです。
まず一つ目のケイトの登場。
フェイズ4で新しい若いキャラクターが登場するようになってきて、いずれヤング・アベンジャーズが結成されるのではと噂されていましたが、今回のこの映像で決定的になったかと思います。
登場はしてませんが、アントマンの娘=キャシー・ラングの名前も出ていたので、この三人は組むのでしょうね。
あとはアメリカ・チャベスは入るでしょう。
これだと女子ばっかりで「チャーリーズ・エンジェル」のようですが・・・・
男子は加わらないのかな。
楽しみにしたいと思います。
二つ目ですが、これはちょっと見ていて声を出してしまいました。
モニカ・ランボーは本作のラストで別の世界へ行くことになってしまいます。
そこで登場したのが、「X-MEN」のビーストです。
それも演じたのは「X-MEN:ファイナル ディシジョン」でビーストを演じたケルシー・グラマー。
チャールズという名前をビーストは口にしていましたが、これはもちろんプロフェッサーXのことでしょう。
MCUへのX-MENの合流はどのような形になるかと論議になっていましたが、別のユニバースなんでしょうか。
「マーベルズ」に続くMCUの映画は「デットプール3」で、そちらにはウルヴァリンが登場するのは決定しています。
それともリンクするのでしょうか。
こちらも気になります。
最近のコメント