「グランツーリスモ」没入感ある映像とストーリー
プレステのゲーム「グランツーリスモ」。
私はこのゲームの大ファンでこのためにプレステを買っていると言っても過言ではありません。
歴代のプレステは「グランツーリスモ」の発売がされることをきっかけに買っています。
ですのでナンバリングの「グランツーリスモ」が出ていないプレステ4は買ってない(笑)。
さてそんな大好きな「グランツーリスモ」が映画になると聞いて、少々不安になりました。
ゲームの映画化作品は一部うまく行っているものもありますが、大体が残念な結果に終わっているものが多い印象です。
そもそもオリジナルのゲームはドライビング・シミュレーターと言っているわけで、ストーリー要素はありません。
どうやって映画にするのだろうという疑問が湧きました。
しかし、監督が「第9地区」のニール・ブロムカンプと聞いてそれは期待に変わりました。
確かに彼の今までのディストピア的な作風とは全く違う題材です。
しかし、彼は映像がエッジが聞いているのと、今までの作品もSFでありながら、リアリティにもこだわりがあるように感じていたからです。
今まで見てきたレース映画とは違うものを見せてくれるような気がしました。
その期待通り、レースシーンはかなりの迫力がありました。
レースカーのコクピットに入りこみ、被写界深度が激浅のカメラでレーサーの心情に迫るようなカメラ。
地面スレスレの位置に設置したカメラが描くスピード感。
はたまたゲームでプレビューで見せてくれるようなレース場のカメラワーク。
それらが早いテンポのカッティングで、激しくスピード感あふれる臨場感のあるレースシーンとなっていました。
しかし、この作品はレースシーンだけではありません。
本作が題材としたのは、GTアカデミー。
これは「グランツーリスモ」をプレイする実際のゲーマーから選抜されたメンバーがリアルなレースに挑戦するというプロジェクトで、かつて実際に行われていました。
私も存在は知っていましたが、あまり詳しくはありませんでした。
本当にレーサーとしてデビューした人がいたとは!
本作はその現実にあったエピソードを映画化した話なのです。
主人公のヤンは大学を中退したただのゲームファン。
しかし「グランツーリスモ」の実力は確かなもので、GTアカデミーへの入学が認められます。
本作はいわば典型的なスポ根もののストーリーで、それだからこそ胸が熱くなります。
ニール・ブロムカンプはリアルなタッチで描くことが得意なので、ヤンが直面する困難、挫折しそうになる時の気持ちも我々自身が感じているかのようにリアルに描きます。
映像だけでなく、登場人物の心情も丁寧に描いているからこそ、ラストレースの緊迫感がより一層高まります。
この作品はIMAXで見るしかないと思い、奮発しましたが、その甲斐がありました。
本作で登場するレース場は全てゲームの「グランツーリスモ」に収録されています。
主人公のヤンほどではないですが、私も何百回かは走っているコース。
ですので、映画の中で映し出されるコースは初めて見るのに、なぜか既視感がありました。
この直線の後にはカーブがある!みたいなところがわかって勝手にレーサー気分を味わえました。
ヤンが事故を起こすニュルブルクリンク。
このコースは劇中でも最も難しいコースと言われていましたが、私も何度もこのコースを(ゲームの中で)走りましたが、いつも苦戦します。
高速コースと細かいカーブが連なるコースが複雑に絡み合っっていて気を抜けるところが一切ない。
これを何周も走るレーサーの精神力は半端ないです。
ヤンが事故を起こした箇所は私も何回もやらかしている場所です。
高速で走る直線が最後上り坂になり、登り切った後にきつめの右カーブがあるのです。
直線をフルアクセルで走り切ると坂の最後で車が浮く感覚があり、そのため右に曲がろうとしても浮いてるため、タイヤのグリップが効かないのです。
結局曲がりきれずにコースアウトするということを何度もやりました。
本来は坂道が終わる前でブレーキングして、タイヤがしっかりグリップできる状態でカーブをしなくてはなりません。
劇中のヤンの場合はさらに条件が厳しく、ちょっと車体が浮いた瞬間に強い風が吹き、飛行機のように飛び上がってしまったのです。
こんなに飛ぶの?と思う方もいるかもしれませんが、以前レースの中継でこんな感じで車が飛んでしまうのは私も見たことがあります。
改めてゲームの「グランツーリスモ」の実際の車の挙動の再現性が高いことを確認させられました。
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